開発リーダーに求められる3つの要素とは? 開発技術戦略リーダー養成講師インタビュー vol.1②
開発リーダーに求められる3つの要素とは?
㈱日本能率協会コンサルティング 技術戦略センター
シニア・コンサルタント
細矢泰弘講師 インタビュー
森宮
そのような人が増えてきたということは、企業が新卒一括採用で社内で育成していくというような、人材育成に限界を感じているとも受け取れますが。
細矢
大手の企業では、大体そういうのがトレンドという形になっていますよね。一から自社で全部やるっていう積み上げ型ではないと思います、時代が。
そのような尖った人材は、会社のなかで、担当の事業部長なり、事業企画室長なりがその個性をよく理解したうえで、組織に取り込んであげるということが重要かもしれないですよね。
今、企業内でどのようにベンチャーを立ち上げるかどうかということが、ひとつの大きな課題かと思いますが、これがなかなかうまくいっていないように見られます。風土や慣習にそぐわないというのもあるのかもしれません。実情としては、まだまだ多くの企業では模索中といえるのではないでしょうか。
森宮
先日、企業の開発・技術部門の役員クラスの方々の会合にオブザーブで参加させていただいたのですけれども、皆さん口を揃えておっしゃるのは、新しいものを作るための組織作りとか、若い人達をどのようにして、新規のビジネスを立ち上げるような環境に持っていくかということで、みなさん悩まれていることがわかりました。外部でそのようなリソースをどういうふうに探したらいいかというよりも、社内でなんとかしようという声の方が目立っていました。
細矢
おそらく正解はないですよね。
森宮
開発を成功させるために必要な要素とはなんでしょうか。
細矢
トップの強い意思と、その意思を支える現場の情熱と、あとはテーマそのものではないでしょうか。ものづくりにおいて、これまで外部環境の変化といえば、ハードが中心だったと思います。それが最近の新規事業はソフト寄りになってきているような気がします。
あらゆる技術がどんどんソフトを含めたものになっているから、全体としてはハードの技術の重要性が低くなっていることは間違いありません。だから、ハード&ソフトのソリューションを、どう事業としてやっていけるかというのは、どこの企業もおそらく、当たり前ですけど考えていることですよね。
つづく 2/9