製造担当者の新研修導入の目的とは?資材メーカーB社 インタビューVol.1
製造担当者の中堅層の共通基本知識とマネジメントスキルを高めるための施策として、CPF(第一線監督者マネジメント資格)とそれに付随するトレーニングを自社内研修として導入いただいた資材メーカーB社様。
人事室長様と人材開発ご担当者様に、導入の経緯や成果について伺うとともに、製造部門の教育体系や技術伝承の考え方についてもお話いただきました。聞き手は日本能率協会(JMA)岡田健作、佐藤敦です。お客様からのご希望で会社名を伏せてご紹介しています。
製造担当者向けに新たに研修を導入した目的とは?
(岡田)
御社には、今回2年にわたって研修プログラムを社内導入していただきました。 昨年は「CPF試験対策セミナー(CPF:第一線監督者マネジメント資格)」、そして今年が「人と機械・設備の最適組み合わせ研修」で、これらの2つのプログラムのテーマには関連性があるという話もお聞きしているのですが、まずはどのような目的・課題のもと、これらの研修を進められたのか、そのあたりからお教えいただければと思います。
(人材開発ご担当者)
もともと、当社の「工場管理研修」の中には、工場の製造担当者に向けたプログラムというものがありませんでした。そこでまず、体系を作ろうということで、入社5年から6年目ぐらいの中堅社員を対象として、新しい研修を導入することにしました。
研修の目的のひとつが、CPF資格を取り、工場の製造担当者の基本的な知識を身につけるということ。
そしてさらに、この研修が仲間との交流を深める場になればいいということでした。
これまで、各工場の担当者同士が交流する機会というものがそれほどありませんでしたので、この研修が、他の工場で働く製造担当者と交流できる場になればいいという思いもありました。
同じ研修を受ける為に集まった仲間として、その仲を深めてもらい、研修後もそれぞれの職場で困った時など、お互いに助け合えるような、そういう仕組みを作ることができればいいと思っております。
研修は、各工場の見学やグループワークなども含めて、当社で3回、場所を変えて行いました。
「CPF試験対策セミナー」を受講したのは8名だったのですが、そのうちの7名が試験に合格することができまして、皆さんにしっかりと勉強してもらえたことからも、取り組みの最初としては、非常に意義があったのではないかと思っております。
今年は、製造設備の研修としまして、第2回目の「人と機械・設備の最適組み合わせ研修」をこれから実施していきます。参加メンバーは1回目の「CPF試験対策セミナー」と同じ8名に加えて、研修を受けたいと申し出たメンバーを合わせた、合計9名で行っています。
実は、以前私も、2年間製造の担当をしていたことがあったのですが、その時に、製造に関する基本的な知識を学ぶ場がないということを痛感しておりました。
特に設備に関しては、専門知識がないとわからないことが多くありましたので、そうした私の経験や思いから製造設備の部門に関する研修を企画し、知識などを補うことができればいいと思っています。
こちらはまだ今月からスタートしたばかりですが、研修の最後には、CPF資格と同じように、知識を確かめられるような資格等も考えて進めていきたいと考えています。
(人事室長)
「CPF試験対策セミナー」を受講した者が、その次のステップとして、「人と機械・設備の最適組み合わせ研修」を受講するという形にしています。
新たな教育としてCPFを選択した理由とは?
(岡田)
製造現場での基本的な知識を学べるプログラムにも様々な種類がありますが、今回CPF資格を選択された理由はどういったものでしたか?
(人材開発ご担当者)
インターネット等でも探していた時に、御社のCPF資格を取り入れられている企業が多かったことと、その中でも製造業の会社が多いと感じたことです。
特に体系的に扱った教材が他にない中で、教材とともに資格制度も設けていることが、当社に非常にマッチした内容であると思いまして、お願いすることにしました。
(岡田)
ありがとうございます。研修を終えられ、資格試験も終了しましたが、取り組まれた皆さんの感想などはいかがでしたか。
(人材開発ご担当者)
交流を深めるという目的の部分では、かなり成果が出ていると思っています。研修を終えてから、メンバーが個々に連絡を取り合い、他の工場ではどのようにしているのかという話をすることがありますよといったことも聞いております。そういう話を聞きますと、研修の効果はあったのだろうと思っています。
(岡田)
CPF資格を取得された方の、モチベーションが上がったり、あるいは行動が変わってきたりといったことはありましたか。
(人材開発ご担当者)
研修の対象者には、今後工場を運営するにあたり、どういった目標を掲げてやっていくかという課題シートを提出してもらっています。それは今年行う2年目の研修で確認していくことになっていますので、今はまだ次の段階に進む場面ともいえますね。これから少しずつ進めていきたいと思っています。
~つづく1/5~