仕事人間としての自立とは? 技術者育成 講師インタビュー① vol.5
今回は、開発技術研究部門における中堅リーダー養成コースの講師を務める関根さんにお話を伺いました。
聞き手は日本能率協会(JMA) 森宮です。 第4回の内容はこちら
仕事人間としての自立とは?
森宮
でもすごいですね、本当にそれは大事だし、中堅だけの課題でないような気もします。
関根
それはおっしゃる通りです。それはマネージャーから共通する課題です。
マネージャーにはぜひ、理解しておいてほしいことです。それがないマネージャーはだめだと思います。
でも、経営者は分かっているのではないかと感じます。
森宮
トップの方々が「何か新しいことをやりたい、やらねば」といい、でも、かけ声だけでは、物事があまり進まないことに気づいていて、組織に問題があるのではないかと悩んでいるケースをよく耳にします。
関根
下から提案が上がってくることもありますが、上の人は自分がテーマを放り込まないと難しいと思っています。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズも上からテーマを下ろしていましたからね。
それと、ある程度の方向性を入れないと厳しいと感じているでしょう。もし私がどこかの会社のトップになって放り込める材料を持たなかったら、放り込める人の意見を丸呑みしてでもテーマを下ろすと思います。
それで失敗したら「私が考えました」というのが普通でしょう。
成功したら部下の手柄です。そのくらいの度量がないとだめですよ。私が下の立場だったら、自分で考えます。
業務テーマはよく、「上が考えてくれない」とか「下が考えられない」とかいって他人事になりがちです。でも、業務テーマは経営者であろうと、中堅であろうとそれぞれのテーマです。
中堅で条件が整備されていないところに来たら、これからどうするのかについて答えられるようにならないと、上に行っても全くだめだと思います。
今日的な仕事のテーマは社会人、仕事人間として自立することだと考えています。
会社で協力するのならちゃんと自立して協力し、誰もいなかったらいないなりにやっていくことが必要です。
条件が整っていればありがたく受け入れ、そうでないとしたら整わせるか、最大限までパフォーマンスを上げるしかないでしょう。
それを自分で考えて実行する集団でなければ、ハイレベルにならないし、勝負できないと思います。
つづく 5/8